ジオラマの草の作り方について、これまでご紹介してきた自分なりの考え方や具体的な方法を、地面の下地作りからの一連の流れとしてここでまとめてみます。
ジオラマや鉄道模型レイアウト上の「見せ場」などにおけるスポット的な草の表現としては、ミニネイチャーなどの細密素材を使えば非常に精巧なものを作ることができますが、ある程度広い面積を処理する場合、費用や手間の面で現実的ではありません。
今回ご紹介するのは、草むらを面的に手軽に表現する方法としていろいろ検討してきた結果、今後、自分のスタンダードとしていくことがほぼ固まった内容です。
完成状態はこんな感じになります。

左側ほど、春の地面 または 草が生えにくい地面で、右側ほど、夏の地面 または 草が生えやすい地面のつもりです。
これ以上に草が生い茂っている状態は、化学雑巾で作った草をベタッと貼る方法をとるので、今回の内容からは除きます。
→ ジオラマの草の作り方(化学雑巾を使う)
上写真のジオラマの製作工程は次のとおりです。
まず、ベースを適当な地面の色に塗って、上から本物の砂を撒きます。

砂は意外に粒子が大きいので、使い古しのストッキングなどでフルイを作り、その目をくぐり抜けたものだけを使っています。

なお私の場合、ベースを着色する代わりに、木工用ボンドを塗ったうえでモルタルの粉末を撒き、その上から砂を撒いています。
主にベースのベニヤの木目を消す目的ですが、モルタルを使うといい表情が出るので地面づくりに多用しています。
ただし、モルタルの在庫が大量にある(日曜大工の余り)ので無理やり使っている感じがあり、扱いが面倒なためあまりおすすめはしません。
一般的にはボードを茶色などで塗ればいいと思います。
上から木工用ボンド水溶液をジャブジャブかけて砂を固着させます。

この工程は、実はモルタルの硬化・固着も兼ねています。
ここに間髪入れずターフをばらまきます。一番小さく背の低い草の表現です。

均一な密度でなく、まばらに撒くようにします。
指でつまんで10㎝程度上から落とすと、自然なランダムさが出ます。
下は盛夏用のベース。

こちらもまばらになるようにしていますが、かなり厚めに撒きました。
砂とターフが硬化後、草を植えたいところに接着剤を塗ります。
私はマットメディウムを使ってます。乾燥後、艶が出て光ると困るからです。

ランダムに草が生えている感じにしたいのですが、計算してランダムに塗るのが苦手なので、最初に撒いたターフのランダムさがいいガイドになります。
ここでいよいよ「植草くん」の出番。
植草くんについてはこの記事をどうぞ
→ ジオラマの草の作り方(静電気を使う)
植草くんで、まず2.5㎜のスタティックグラス(NOCH)を撒いてみます。

十分細密で、Nゲージのスケールでも通用しそうです。
Nスケールならひざ下くらい、HOスケールなら足首くらいの草むらが簡単にできます。
ただ、実はコレ、乾燥前に誤って裏返しに落としてしまい草が寝てしまいました。その前までは、もっと草が立ってました。
次に、別のベースに5㎜の草を撒いてみます。
同じくスタティックグラス(NOCH)です。

いい感じに草が立っているのですが、密度が足りない感じです。
これは、何本かの草が植えられた後では、その草自体が邪魔になり、間に草の素材が入っていきにくいためです。
試しに、5㎜の草の周りに2.5㎜の草を撒いてみます。

緑が濃いところが2.5㎜の草を追加したところです。
短い草と長い草の色合いの違いのせいもありますが、特に密度の違いのせいで不自然に感じます。
この植え方はあまりよくないようです。
最後に、盛夏用のベースに5㎜と2.5㎜の草のミックスを撒いてみます。

背の高い草の感じはこれが一番いいです。
5㎜の草の間に2.5㎜の草が入っていくので、密度感も十分出ます。
上からの写真では草が立っている様子がわかりにくいので、横から眺めてみると…

実験的に適当に作ったものでもこの完成度。
コスト・手間・実感の面でバランスが取れたいい方法だと思います。
ただし、草として撒く素材の色は難しいです。
この実験では「牧草」を使ってみたのですが、強い黄色の繊維が混じっており、ちょっと違和感があります。
草の素材としてどれが一番いいか、いろいろな製品を試してまた紹介したいと思います。
関連記事:ジオラマの草の作り方を考える
関連記事:ジオラマの草の作り方(化学雑巾を使う)
関連記事:ジオラマの草の作り方(静電気を使う)
ジオラマや鉄道模型レイアウト上の「見せ場」などにおけるスポット的な草の表現としては、ミニネイチャーなどの細密素材を使えば非常に精巧なものを作ることができますが、ある程度広い面積を処理する場合、費用や手間の面で現実的ではありません。
今回ご紹介するのは、草むらを面的に手軽に表現する方法としていろいろ検討してきた結果、今後、自分のスタンダードとしていくことがほぼ固まった内容です。
完成状態はこんな感じになります。

左側ほど、春の地面 または 草が生えにくい地面で、右側ほど、夏の地面 または 草が生えやすい地面のつもりです。
これ以上に草が生い茂っている状態は、化学雑巾で作った草をベタッと貼る方法をとるので、今回の内容からは除きます。
→ ジオラマの草の作り方(化学雑巾を使う)
上写真のジオラマの製作工程は次のとおりです。
まず、ベースを適当な地面の色に塗って、上から本物の砂を撒きます。

砂は意外に粒子が大きいので、使い古しのストッキングなどでフルイを作り、その目をくぐり抜けたものだけを使っています。

なお私の場合、ベースを着色する代わりに、木工用ボンドを塗ったうえでモルタルの粉末を撒き、その上から砂を撒いています。
主にベースのベニヤの木目を消す目的ですが、モルタルを使うといい表情が出るので地面づくりに多用しています。
ただし、モルタルの在庫が大量にある(日曜大工の余り)ので無理やり使っている感じがあり、扱いが面倒なためあまりおすすめはしません。
一般的にはボードを茶色などで塗ればいいと思います。
上から木工用ボンド水溶液をジャブジャブかけて砂を固着させます。

この工程は、実はモルタルの硬化・固着も兼ねています。
ここに間髪入れずターフをばらまきます。一番小さく背の低い草の表現です。

均一な密度でなく、まばらに撒くようにします。
指でつまんで10㎝程度上から落とすと、自然なランダムさが出ます。
下は盛夏用のベース。

こちらもまばらになるようにしていますが、かなり厚めに撒きました。
砂とターフが硬化後、草を植えたいところに接着剤を塗ります。
私はマットメディウムを使ってます。乾燥後、艶が出て光ると困るからです。

ランダムに草が生えている感じにしたいのですが、計算してランダムに塗るのが苦手なので、最初に撒いたターフのランダムさがいいガイドになります。
ここでいよいよ「植草くん」の出番。
植草くんについてはこの記事をどうぞ
→ ジオラマの草の作り方(静電気を使う)
植草くんで、まず2.5㎜のスタティックグラス(NOCH)を撒いてみます。

十分細密で、Nゲージのスケールでも通用しそうです。
Nスケールならひざ下くらい、HOスケールなら足首くらいの草むらが簡単にできます。
ただ、実はコレ、乾燥前に誤って裏返しに落としてしまい草が寝てしまいました。その前までは、もっと草が立ってました。
次に、別のベースに5㎜の草を撒いてみます。
同じくスタティックグラス(NOCH)です。

いい感じに草が立っているのですが、密度が足りない感じです。
これは、何本かの草が植えられた後では、その草自体が邪魔になり、間に草の素材が入っていきにくいためです。
試しに、5㎜の草の周りに2.5㎜の草を撒いてみます。

緑が濃いところが2.5㎜の草を追加したところです。
短い草と長い草の色合いの違いのせいもありますが、特に密度の違いのせいで不自然に感じます。
この植え方はあまりよくないようです。
最後に、盛夏用のベースに5㎜と2.5㎜の草のミックスを撒いてみます。

背の高い草の感じはこれが一番いいです。
5㎜の草の間に2.5㎜の草が入っていくので、密度感も十分出ます。
上からの写真では草が立っている様子がわかりにくいので、横から眺めてみると…

実験的に適当に作ったものでもこの完成度。
コスト・手間・実感の面でバランスが取れたいい方法だと思います。
ただし、草として撒く素材の色は難しいです。
この実験では「牧草」を使ってみたのですが、強い黄色の繊維が混じっており、ちょっと違和感があります。
草の素材としてどれが一番いいか、いろいろな製品を試してまた紹介したいと思います。
関連記事:ジオラマの草の作り方を考える
関連記事:ジオラマの草の作り方(化学雑巾を使う)
関連記事:ジオラマの草の作り方(静電気を使う)